はぁ…
あたし最悪だ。
自分の事ばっかで他の人の事、考えてなかった。
結局、有亜にまで迷惑かけてるし。
「わざわざゴメンね…」
「別にいいよ」
有亜はいつもの笑顔を振りまき何ひとつ、あたしに聞いてこようとはしなかった。
それが今のあたしにとったら凄くいい事だった。
だって…
今聞かれたらきっと何も言えないから。
その後、有亜は“じゃあね”と言ってあたしの家を後にした。
部屋に戻り鞄を床に下ろしたと同時に携帯の振動音が耳に伝わった。
床に腰を下ろして鞄を開け、中からチカチカと光っている携帯を取り出した。
着信=りく。
震え続ける携帯に一息吐き、あたしは通話ボタンを押した。



