有亜の姿がなくなってすぐ、あたしも足を進める。
外の暗さが今のあたしに調度いいって思う様になったのも純也が遊び人って知った時からだった。
ただ、あたしの心と同じ色だから落ち着くって事だけだけど。
家の前の玄関で一息吐きドアを開けて中に入る。
乱暴に靴を脱ぎ捨てて階段に向かう。
背後からパタパタとスリッパの音を響かせながら「おかえり。ご飯は?」と言う声が聞こえた。
あたしが振り返るとママは首を傾げる。
「あ〜後でいいや」
ママは顔をしかめ「最近、食べてないじゃない」と呟く。
「ごめ…」
あたしはすぐママに背を向け階段を駆け上がった。



