名前が入るまでの間、店の中をウロウロとして、壁に掛かっている時計に目を向けた。
もう15分ぐらい経ってんのかな?
早く戻んなきゃ。
しばらく経って定員さんから声が掛かり、あたしはショーケースの前に行く。
目の前にZippoを差し出され文字が削られた部分に目を向けた。
−Rina to Riku−
何だかその文字に嬉しくなり、あたしは微笑む。
綺麗にラッピングされたZippoを鞄の中に入れ、陸がいる店まで走った。
中に入ると人が溢れかえっていて、あたしが居る位置からは陸の姿は見えない。
奥に進んで行って見渡しても見えなくて、鞄の中から携帯を取り出そうとした瞬間、横の棚を見ると一気にあたしの顔に笑みが零れた。



