ふたつの羽根


あたしの目に移るのは小さな額に入った羽根だった。


青から白に変わっていく、あたしの家にある羽根とまったく同じの羽根。


そう2枚あったもう1枚の羽根。 


間違えるわけがない。絶対にこれだ…

確かこれはパパが持っていた羽根で…

なんでここに…。



あたしは薄い透明のガラスの上から何度もその羽根を擦った。 



「俺さ…」


陸は灰皿を手に取りベッドに背をつけて何度かタバコを打ち付けながら口を開く。 


「里奈は覚えてねぇかも知れねぇけど、俺と里奈が初めて会ったのは、あの川原沿いじゃねぇよ」 


「えっ…初めてじゃないの?」 


陸はタバコをくわえて深く吸い込み、煙を吐きながら灰皿にタバコを押し潰す。