ふたつの羽根


嘘でもいいから好きって言われていたいって想うほど純也に対するあたしの気持ちは大きかった。

だけど最近は自分の気持ちがわからない…

うまく感情が出せない。

ただ影から純也を見て必死で自分の中で怒りを抑えて…

好きって気持ちを押し殺すぐらい怒りを溜め込んでいる自分がいる。

こんな自分に呆れてしまう。


錆びた階段に座って、この大通りで純也を探してるって訳じゃない。

ただ、ここに座ってボーっとして人を見ていたいだけ…

そうなったのも純也に女がいっぱい居ると分かってから、あたしはここに座るのが日課になっていた。