本当は、ひとりぼっちは苦しい。
だけど、あの時みたいに友達だと信じて実際は影で散々やなことを言われたらと思うとなかなか勇気が出せなくて。
ううん。私はこのままでいいんだ。
目立たない、自分に釣り合った生活をする。
誰にも迷惑をかけないように。去年もそうやって乗り越えたから。
ぶんぶんと首を横に振りながら、お母さんお手製の唐揚げを口に放り込んだ。
「あ、浅海さん見つけた!」
っ?!
唐揚げを味わおうと一口噛んだ瞬間、確かに誰かに名前を呼ばれて。
びっくりしたまま声のした方に目を向ければ、こちらにズンズンと歩いてくる男の子が見えた。
「えっ……」
さらなる衝撃で唐揚げが喉に詰まりそうになる。
いや。なんでなんでなんで。
サラサラのベージュヘアが太陽の光に照らされて彼のキラキラオーラがさらに増している。
どうして。
なんで、最上くんがここにいるの。



