「ありがとう……みんな……」
「もう泣かないでよ姫茉〜!目腫れるぞ〜!」
ギュッと抱きついてくる羽芽ちゃんの体温があったかくて。
みんなが私のことを本当はどう思ってるのかとか、そんな聞こえない心の声に不安になるよりも。
私が、彼女たちとの時間を、彼女たちを大事にしたくて、好きだから。
この気持ちを信じたいって思えるよ。
「てか私も陽香も彼氏いるしねー。だから寧衣くんとか尾崎のことを狙ってるとかとりあえずないから安心したまえ」
「え?!」
和子ちゃんのセリフに驚いて声が出る。
ふたりともそうだったんだ……。
いやこんなにかわいくておしゃれなんだからそりゃそうか。
でも、羽芽ちゃんは……。
「ちょっと待ってくれ、姫茉、もしかして私のことも心配してる?」
「だって、仲良いから……それに、寧衣くんと羽芽ちゃんは付き合ってるんじゃないかって」
私がそういうと、和子ちゃんと陽香ちゃんが「ぷっ」と吹き出した。