小悪魔王子に見つかりました


寧衣くんと出会って、羽芽ちゃんたちと話すようになって。

私の日常を彩る色は徐々に変わっていった。

キラキラしたものばかりだ。

学校の友達と休みの日にバーベキューをしてキャンプをして同じテントの中で寝る日が来るなんて。

以前の私には考えれないことだ。

見た目も性格も、私はみんなとは全然違うから浮いちゃうのは自覚しているけど、

それでもみんながずっと優しいから。

こんなに素敵なみんなのことを、ほんの少しでも疑った心で時折見てしまう自分が嫌でならない。

みんなに感謝しているのに。
嬉しいのに。

素直にそれを口に出せない臆病な自分に心底呆れて。

「よし、できた!!」

羽芽ちゃんのその満足げな声で顔を上げれば、彼女が持ってきた手鏡を渡されてその中を見る。

「我ながら上出来!」

鏡の中に映るのは、前髪がオシャレに編み込まれておでこ全開になっている私。