小悪魔王子に見つかりました




もう、この一年お肉を食べなくてもいいんじゃないかと思うぐらい、美味しいお肉をたくさん食べ終えたあと

みんなで海辺に出て、砂に絵を描いたり、写真を撮ったりして。

そのあと日が沈んでからは花火を楽しんで。

夜はあっという間にやってきた。

今はみんなシャワーを終えて、テントの中でガールズトーク中。

「姫茉!ちょっと髪の毛触ってもいい?」

「へっ、あ、いい、けど……」

髪の毛をといていたら、羽芽ちゃんが私の髪に触れた。

「ほんと姫茉の髪の毛サラサラだよね〜」

「枝毛全然ないじゃん!私なんて毎日アイロンしすぎてパサパサだよ〜」

羽芽ちゃんが私の髪の毛を触っていると、みんなも私の周りに集まってきて。

髪の毛を褒められるのはすっごく嬉しい。

でも、素直に喜べないのは過去のことがあるから。

自然と目線が下に落ちる。