「あ、謝らないで。ただ、今まで羽芽ちゃんたちみたいなキラキラした子たちと話すことって全然なかったから、どうしていいかわかんなくて……でも、」

『浅海さんがみんなとどうなりたいと思っているか』

今の私は……。

「でも、みなさんと仲良くなれたらいいなって、思っています、だから、その、あの───」

ギュッ

へ?

少し目線を落としたのと同時に、身体が羽芽ちゃんの甘い香りに包まれた。

な、抱きしめられてる?!

こんな教室のど真ん中で、いくら女の子同士でも恥ずかしいよ。

バッと私から身体を離した羽芽ちゃんがさらに口を開く。

「何言ってんの当たり前でしょ?姫茉は私の天使だってさっきも言ったのに!」

「は、えっと、」

『天使』なんて。

こんなたくさんの生徒たちのいる前で言うんだから、恥ずかしくなってしまうよ。

「羽芽」

突然、彼女を呼ぶ低い声が聞こえたかと思うと。

っ?!

肩に置かれた羽芽ちゃんの手がするりと離れて、

右手首をグイッと引かれ、今度は羽芽ちゃんとは別の温もりに包まれた。