「はっ!姫茉!」

あれから寧衣くんと少し話してから教室に戻れば、

誰よりも先に、ドアの前の私に気付いた羽芽ちゃんが、名前を呼んでくれて。

その顔があからさまに心配そうな顔をしていたから、こっちまで泣きそうになってしまった。

「大丈夫?姫茉、体調悪い?」

机に向かえば、グループの他の子たちも声をかけてくれて。

あんな風に出て行ってしまって、すっごく感じ悪かったはずなのに。

でも、本心はわかんない、という気持ちはずっとチラついたままで。

疑ってばかりの自分が本当にいやになる。

「ごめんなさいっ。急にちょっと気持ち悪くなっちゃっただけで、ほんともう平気、」

「私らが急に囲んじゃったりしたからびっくりさせたよね、ごめん」

と羽芽ちゃん。