小悪魔王子に見つかりました


「……やばいって、この顔隠してるの。すっごいかわいいのに」

「……っ、」

寧衣くんの言う「かわいい」が、お世辞で、特別な意味を持たないことはわかっているつもり、なのに。

彼の耳が赤く染まっているから。
こんな風になってる寧衣くんを見るのは初めてだ。

こちらにもその熱が伝染してしまう。

どうして。
なんで、そんな顔をするの。

「寧衣くんは目が悪いです」

頭をフル回転させて出した、自分なりに納得する答えを口にする。

きっと、寧衣くんは視力が悪くて、だから私なんかのことを。

「舐めないで。視力1.5」

「うっ、」

「浅海さん、もっと自分に自信持ちなよ」

「……無理です、ダメです」

そう言って寧衣くんの手から逃れてふたたび、前髪で目を隠す。

学校の何もかも、みんなの目から常に逃げたくて、隠れたくて。

私はこの仮面がないとここでは生きられないから。