寧衣くんの手が突然こちらに伸びてきて。
その長い指が私の前髪に触れた。
おでこにもかすかに彼の指の先が触れて。
とても一瞬のことで私に逃げる隙を与えなかった。
心臓がおかしくなりそう。
視界がさっきよりも明るくクリアになって、目の前の綺麗な瞳とバチッと視線が絡む。
「……浅海さん、」
間を置いてゆっくりと声を出した寧衣くんを見て一気に不安になる。
やっぱり見せるんじゃなかった。
断固として避けるべきだった。
「ほら、私には似合わないでしょ。だからこのままでいいのっ」
目も眉もおでこも、寧衣くんの前で露わになってしまって、
恥ずかしくて彼の視線から逃げるように下を向くと。
「誰に言われたの。そんなこと」
っ!?
両頬をその大きな手に包まれて、さらに距離がグッと近くなった。
鼻先が触れちゃいそうなぐらい。



