「いい人だね、寧衣くんは」
「え?全然。いつだって自分のために行動しているだけだよ」
「そんなことないよ。寧衣くんはすごいよ」
知り合ってまだ浅い私に自分の時間を割いて、楽しませようと色々と考えてくれて。
自己犠牲以外のなにものでもないと思う。
「浅海さんに褒められると悪い気はしないけど」
そう言って笑った寧衣くんが、三角座りした膝に腕と顔を預けながらこちらをジッと見つめてきた。
その視線に緊張して、おはしで持っていたタコさんウインナーを弁当箱の中に落してしまう。
「あの、」
「んー?」
「あんまり見られるとちょっと食べづらい、です」
「あ、ごめん。ちょっと。……浅海さんって前髪横に流さないの?」
「へっ、」
「もう少し、目見えた方がかわいいと思うけど」
まだこちらを見続けている寧衣くんのくりくりした瞳が、前髪の隙間からよく見える。
「……こっちの方が落ち着くから」
「えーもったないよ。ちょっと見せて──」
「えっ!?」



