背中に感じる寧衣くんの温もり。
そのままギュッと寧衣くんの長い手が私の身体を包み込む。
真っ暗な押し入れ。
あるのは襖の隙間から漏れ出た僅かな光だけ。
暗闇でふたりきり、なんだかものすごく悪いことをしている気分になる。
樹くんたちが必死に私たちを探しているのに、違う意味でドキドキしちゃってるよ、私。
「酒井と何話したの?」
「えっ、あっ、色々と積もる話を」
「ふーん、そっか」
バレないようにお互い声をひそめて話す。
本人に許可なく話していいことじゃないと思うし、寧衣くんに話せないのが少し申し訳ないって気持ちもあるけれど。
「はぁ……やっぱりやだな、」
見えない分、聴覚が敏感になって彼の囁きがやけに耳の奥に響く。
寧衣くんが息をするだけで、そのたびに心臓がうるさくてしょうがない。



