よし、ここにしよう!
そう思って、押し入れの襖に手をかけて引いた瞬間。
っ?!
「ね、寧衣くん?!」
「姫茉っ」
その中にいたのは、三角座りした寧衣くんだった。
まさか、寧衣くんが先にいたなんて。
でも、好きな人と同じ場所を考えていたのかと思うと嬉しくて、それだけのことで心が温まる。
「あっ、ごめんなさいっ、私、別のところに───」
「なんで」
「えっ、」
押し入れの中から彼の手が伸びてきたかと思えば、優しく手首を掴まれた。
「いいじゃん、一緒に隠れれば」
「へっ……でも、」
「もーいーかーい!!」
うわっ。
離れた部屋から聞こえる、樹くんの聞いたことない大きな声に肩が跳ね上がる。
あんなに声出るんだ、樹くん……。
みんなと遊ぶの、ようやく慣れてきたのかな……って、そんなことにほっこりしてる場合じゃなくて!



