全部、俺がバカなのがいけなかったんだ。

そんな風に自暴自棄になってたとき、たまたまSNSに小松高校の体育祭のお知らせが流れてきて。

いつか浅海に返そうって思ってたキーホルダーの存在を思い出した。

「久しぶりに浅海に会って、浅海の笑顔に救われてさ。綺麗だなってまじで思ったよ」

「……」

同時に、浅海の笑顔を取り戻したのはなんなんだろう、誰なんだろうって思った。俺には、できなかったから……。

罰だよな、中学の頃、浅海が徐々に周りと距離を置いていたことに、薄々気付いていたのに。

見て見ぬふりをした。

俺はいつだって、中途半端。

だから、きっと、自分もそういう扱いをされてしまうんだ。見事なブーメラン。

これを浅海に話したところで、何になるってわけでもない、ただ困らせるだけなのに。

何をどう変えたらいいのか、何にも分からなくて。

けど、今日、偶然、木野に会って、強引にここに連れてこられて。

久しぶりに、楽しかった。

心から笑った気がしたから。

だからなんだって話なんだけど……。

「あーーほんっとごめん、なんか、俺なんなんだろうな、自分でも自分がどうしたいのかわからなくて」

ガシガシと雑に自分の頭をかきながら誤魔化すように声を大きくして。

みっともない、ほんと。