うす暗い部屋に灯る6本のろうそくの火。
「せーの!」という陽香ちゃんの合図で、みんなが一斉に樹くんに向けて歌を歌う。
楽しそうなみんなの姿に、なんだか目頭が熱くなって。
少し前まで、涙を流す理由は決まって、不安とか怖さばかりだったのに。
こんなに笑ってる毎日が来るなんて、昔の私は想像もしていなかった。
あの時の私に会えたら、優しく肩を掴んでいってあげたい。
『大丈夫だよ』って。
そう思えるのは、紛れもない、ここにいるみんなのおかげで。
この時間が、ここにいるみんなが、愛おしすぎて。
ずっと続いてほしいって思う。
「はい、樹くん、ふーって火消して」
みんなが歌い終わると、樹くんの左隣に座る酒井くんがそう言って。
樹くんが控えめに火を消した。



