「……私と付き合いだしてから、寧衣くんバイトのシフト増やしたでしょ?放課後も一緒に帰れないこと多いし。だから……」
「それはっ、」
『違う』そう否定しようとしたけどできなかった。
だって、俺がバイトの時間を増やしたのは事実だから。
俺と姫茉の今後のため、そう思って選択したことが、まさか今の姫茉を不安にさせていたなんて。
バカすぎる……。
「……ごめんっ、」
「ううん、違うのっ、寧衣くんが謝ることなにもなくて。私が全然ダメで。今日だって、寧衣くんの働いているところ見てみたいっていうのも本当だったけど、心のどっかで、偵察しようとしてた」
へ?偵察?
「ダメだよね、こんなの。もしかしたら、一緒に働いている人の中に可愛い女の子がいるんじゃないかとか、その子といる時間が楽しいからなんじゃないかって色々考えすぎて、不安になって、ごめんなさい」
「……いやっ、」
待って。
予想外の言葉に、思わず口元を押さえる。
やばい。
ニヤケそう。
だってまさか。
姫茉がそこまで不安になるって、いやそうさせてしまったのは俺なんだけど。
姫茉が俺のことでそんな風に悩んでくれてたんだってことが嬉しくて。



