そして私の手のなかにも、寧衣くんの抱っこしているクマとお揃いの耳にリボンのついたクマ。

これも寧衣くんがゲットしてくれて。

実はこのクマのぬいぐるみ、私が寧衣くんに貸したシャーペンのクマと同じで。


寧衣くんがこのぬいぐるみのクレーンゲームを見つけて、まるで子供みたいに「浅海さん!見て!」って私に手招きしながらはしゃいで。


「これだけは絶対に取りたいって思った」

寧衣くんがそう言って、腕の中のクマを優しい目で見つめる。

「……これ本当に私がもらっていいのかな?」

「当たり前でしょ?だって浅海さんにあげたくてとったんだもん」

「……っ、」

またそうやって喜ばせることを言う。

緩みそうになる口元を隠すように彼から顔を背ける。

「なんか運命感じちゃったよね」

フワッと柔らかい笑顔をこちらに向けてそういうから、トクンとまた鼓動が鳴って。