小悪魔王子に見つかりました


木野と姫茉が向かい合って話していて、どっちも生き生きしてる。

俺といるよりも楽しそうじゃない?なんて気持ちがよぎって。

あーダメダメダメ。

わかってる。

姫茉は自分が繊細な分、人への気遣いも人一倍できる子だって。

木野が優勝にこだわっていた理由を知ってから、ずっと悩んでいたのかもしれない。

あれは絶対姫茉のせいじゃないけど。

姫茉の今までの経験上、性格上、気にしてしまうのも無理はないのかもしれない。

姫茉のそういう優しいところが好きなのだって事実だし。

けど、少しでも彼女の頭の中が俺以外になったのかと思うと嫌で。

俺がバイトのシフトを増やしたのだって、これから先、姫茉ともっといろんな思い出を作りたいからで。

いろんなとこにたくさん出かけたい、喜ぶことたくさんしてあげたい。そんな気持ちでいっぱいだったから。

そんなの俺が勝手に考えてしていることなのもわかってる。

でも……。

あーすげぇ性格悪いやつじゃん、俺……。

姫茉は、俺だけでいっぱいじゃないの?