「あ、うん、浅海さんが……」
そう話しだした木野の口角がいつもより上がっている。
は?なに?なんなの?
なんで姫茉の名前出しながら嬉しそうな顔してるの?
「うわ、寧衣、顔怖いって」
羽芽に指摘されて、ひそめていた眉をなおすと、姫茉がひかえめに口を開いた。
「た、体育祭、私のせいで優勝できなくて、木野くんが欲しがっていた学食無料券ゲットできなかったから……」
「いやあれ姫茉のせいじゃ───」
思わず声を被せてしまった俺の腕を、羽芽に掴まれて、
「いいから聞いて」
と強く言われた。
「だから、みんなで弟くんの誕生日をお祝いしようと思って」
「え?」
木野の弟の誕生日?
いや、たしかに、それが理由でリレーで本気モードになっていたのは知ってるけど……。



