「わー!かわいい場所!」

「ごめんね、姫茉。考えたら、寧衣と付き合って初めての放課後なのに、私に付き合わせちゃって」

帰りのショートホームルームが終わって、「一緒に帰ろう」と姫茉を誘った寧衣をみて、

気がついてしまった。

もう少し気遣えばよかったって思ったけれど、

姫茉が、寧衣に申し訳なさそうにしながらも、私との予定があることを嬉しそうに話してくれたから。

胸がキュンとして。

寧衣が少し不満そうだったけれど、それでも、今後は好きなだけ一緒に帰れるのだから今日ぐらい許して欲しい。

ふたりの恋のキューピットは、この私だし。うん。

目を輝かせながらお店をキョロキョロとしてる姫茉が可愛くて、正直、寧衣にはもったいないと思う。まあそれは嘘だけど。

色とりどりの美味しそうなケーキを食べながら、みんなで姫茉と寧衣のいろんな話を聞いて。

ほっこりした気持ちになりながらも、どうやって話を切り出そうかと悩んでいると、

姫茉が何かを思い出したように「あっ」と発した。