料理ができるまで、寧衣くんの部屋でふたり、お互いに、今まで思っていたことをたくさん話し合って。

酒井くんのことでいろいろ心配させてしまったのは、申し訳ないと思うと同時に、

ヤキモチ妬いていた、って言われた時は嬉しくて。

最高の1日だった。

「3人がずっと相談に乗ってくれて、羽芽ちゃんが寧衣くんに話してくれたおかげだよ。本当にありがとう」

「そんな、私たちは姫茉と寧衣くんにたくさん幸せ分けてもらったし!忘れかけてたときめきとやらをね、」

「うんうん!姫茉の話聞くのも、ふたりを見てるのもすっごく楽しかったよ!これからもっと楽しくなるね!」

「ふたりとも……」

泣きそうだよ。

和子ちゃんと陽香ちゃんの優しい言葉に、羽芽ちゃんが続く。

「姫茉がちゃんと自分の気持ち伝えられたからだよ」

「うう、羽芽ちゃん……」

「酒井くんが現れて一時はどうなることかと思ったけど、めでたし、めでたし、って言うことだね!」

陽香ちゃんが満足そうにそう言った瞬間、

「……ねぇ、」

いきなり、羽芽ちゃんが口元に運んでいたサンドウィッチをランチボックスに戻して、

遠慮がちに口を開いた。