翌日の朝。

「姫茉!昨日どうだった!」

教室に入ってきた和子ちゃんと陽香ちゃんがものすごい勢いで私の席にやって来た。

「あ、えっと、」

ずっと相談に乗ってもらって励ましてくれたふたりに、一体なにから説明しようかと考えていると、

教室の入り口付近が、突然にぎやかになった。

彼らが来た合図だ。

クラスメイトから「おはよう」と声をかけられてるキラキラした3人。

そのうちの1人が、私に気付いてから、走ってきた。

「姫茉――!!」

大好きな羽芽ちゃんだ。

「羽芽ちゃんおは───っ」

いつものように挨拶しようと思ったら、急にぎゅっと抱きしめられてしまった。

「へっ、羽芽ちゃん?!」

「朝から激しいな、羽芽」

私たちの様子を冷静に見ている和子ちゃんたち。

羽芽ちゃんに抱きしめられたまま、視線はある人物を捉えた。

入り口でまだみんなに微笑みながら挨拶を返している寧衣くんを見て、

トクン、と大きく心臓が鳴る。