小悪魔王子に見つかりました


商品を受け取った私たちは広場にあるベンチに腰かけた。

「ごめんなさい。ごちそうになっちゃって」

「何言ってんの。言ったでしょ?俺から誘ったんだからって。ほら、そんなこと気にしなくていいから、飲んでみて」

「うん……ありがとう。いただきます」

店員さんにさしてもらった口の大きなストローに口をつけてスーッと吸えば。

抹茶のほのかな苦味とミルクの甘味が口いっぱいに広がって、

そのあとすぐに、ゴロゴロと口の中にタピオカが数個入り込んできて。

一口噛んで、そのもちもちとした弾力のトリコになってしまった。

「んんっ!すっっごい美味しい!!」

「ハハッ、良かった〜喜んでもらえて」

人生半分損していたってよく言うけど、今の私はまさにそれだ。

こんな美味しいのを今まで知らなかったなんて。

連れてきてくれた寧衣くんに感謝だ。

「ミルクティーも飲む?」

寧衣くんが手に持ってるそれを私の目線に持ってきてそう言った。

「……っ、あっ、えっと、」