勝手に最悪な状況を想像して、酒井くん半殺しの刑なんだけど。まじでコノヤロー。
こんな黒いことを内心思ってるって姫茉に知られたら絶対嫌われちゃうじゃん。
「ソファに、トンって倒されて」
「っ、うん……他には?」
トンって、そんなこと可愛らしく言わないでよ。
「手首、掴まれた、ほんと、それだけ、」
『それだけ』って言える姫茉が怖いよ。
もう絶対、姫茉のと他のやつをふたりきりにさせないようにしなきゃ。危なすぎる。
相手が、昴でも、木野でも。
「すっげーいや」
そう漏れ出た声は、溢れた想いを加速させる。
そのまま彼女の手を取って。
「寧衣くん?」
華奢で白い手首の後ろにキスを落とした。
「なっ……」
そういえば、こんな風にするの、二回目かも。
水族館のあと、うちのリビングのソファーで。
あの時は、姫茉に男として意識して欲しくて必死で。
けど今は、全然違う。
両思いだってことに、夢見心地なところはあるけど。今まで触れられなかったぶん抑えられなくて。
頭の中、姫茉でいっぱいだ。



