「ん。ちょっと待って、ほんとに。これ以上言われるとまじで……」

あっ、しつこかったかな……。

「……ごめんなさいっ、」

「いや、全然謝ることじゃないから、嬉しすぎてやばいっていうか、あの……」

「公衆の面前でイチャついてんじゃねーよ」

へ。

飛んできた声に目をやると、そこには大学生ぐらいの男の人たちがいて、私たちにそう言っていた。

まずい、そうだ。
ここ、外だ。

今の自分の状況を改めて整理して、顔に熱が集まる。

「ね、寧衣くん……」

「うん……ごめん。場所、変えようね」

「……っ、」

寧衣くんが、私の頭におでこを重ねて、すっごく至近距離で言うから。

溶けちゃうんじゃないかってぐらい、体中の熱がすごい。

お互い真っ赤な顔で。

私が頷くと、寧衣くんは私の手を優しく取って握ってから歩き始めた。