「わっ、なっ、」

突然真っ暗になった目の前に、あたふたする。

「……今、なんか、好きって聞こえた」

「うん……言ったよ」

「やばっ……」

いつもと違った少し低い声は、ちょっと艶っぽさを含んでいて、

なんだか寧衣くんがすごく男の子って感じがする。

いや、そりゃ正真正銘男の子なんだけれど、普段は、爽やかさとか可愛さの方が際立って見えるから。

さらにドキドキしてしまう。

「いざ浅海さんの口から直接言われると……しんどい」

「……好きだよ、寧衣くん」

一度声に出しちゃうと、どんどん溢れてきちゃう。

恥ずかしさよりも、伝えたいって気持ちが大きくなって。

今まで会えなかった分。

心臓はずっとうるさいのに、この時間がずっと終わってほしくなくて。