「必要ないなんて、そんなことあるわけないよっ!」

何を言っているんだ寧衣くん。

私はずっと、寧衣くんのことしか考えていないのに。

毎日声が聞きたくて、会いたくて、どうしようもないのに。

「いっつも、寧衣くんのことばっかだよっ、私だって……寧衣くんのことがっ……好き、だからっ、」

あまりの恥ずかしさで、俯きながらその気持ちを吐き出す。

やっと、ちゃんと言えた。

しっかり、届いたかな……。

「……っ、どうしよう、死にそう」

「えっ、なんで?!」

寧衣くんの予想外の言葉に驚いて、

ガバッと勢いよく顔を上げると、真っ赤な顔をした寧衣くんが目を逸らしていた。

こんな顔をしている寧衣くんなんて初めてで、思わずじっと見入ってしまう。

「っ、見ないで……」

その中世的な顔にはあまり似つかわしくない大きな手に視界を塞がれた。