寧衣くんの腕の中。
体にさらに密着して。

トクトクと寧衣くんの速い鼓動が聞こえてくる。

寧衣くんも、私と同じようにドキドキしてくれてるのかな。

酒井くんのこと、ちゃんと寧衣くんに話したい。

でも、一気にいろんなことが起きて、自分の中でもしっかり整理できていない状態で。

「わー、見て、高校生かな?初々しいねー」

っ!?

寧衣くんに抱きしめられたまま、なにから説明しようかと悩んでいると、

どこからかそんな声が聞こえてハッとする。

「あ、あの、寧衣くん、みんなに見られて───」

「いいよ、見せつければいい」

「そんな……」

見せつければいい、って……。

あの寧衣くんの口から出てきた言葉とは思えないくてびっくり。

「俺にこうされるの、いや?」

「いや、じゃない、けど……」

ものすっごく恥ずかしい。