小悪魔王子に見つかりました


「迷ってる?」

「……っ?!」

耳元でやわらかな声がして、その距離の近さにのけぞってしまいそうになった。

パーソナルスペースどうなっているんですか寧衣くん。

一気に心臓が忙しく音を立てる。

「えっと、ミルクティーと抹茶で」

「わっ、浅海さん抹茶好きなの?」

「う、うん」

「だったら絶対飲んで欲しい。俺ミルクティー頼むから。そしたらどっちも飲めるよ」

「え、でも寧衣くんは……」

それじゃ私が飲みたいものばかりで寧衣くんに悪いよ。

「ここよく来るからほとんど飲んでるし、ミルクティーもすっごい好きだから全然」

「でも、」

「そもそも今日は浅海さんがしたいことをするのが目的なんだから。俺が勝手に提案したことなんだし、遠慮とかしないで?」

「……けど、」

「ご注文お決まりですか?」