「じゃあ、これも浅海さんの初めてだ」
「……うん」
「それに付き合えたってすっげぇ嬉しいね」
「……っ」
あんまり嬉しそうにそう言って笑うんだもん。
こっちが恥ずかしくなってしまった。
寧衣くんのこういうところは無自覚なんだろうか、それとも計算?
ふわっとしたあったかい日の光のような笑顔が、私のひねくれた心に沁みる。
「浅海さん、なに飲む?定番のミルクティーも美味しいけど、ここのは他の味もすっごい美味しいよ」
「は、そうなんだ。どうしよう……」
メニュを見て一番最初に目に入ってきた抹茶ミルクティーにゴクンと喉がなる。
でも、定番のミルクティーも飲んで見たいし。
とても迷う。
でもここで迷いすぎて寧衣くんに優柔不断だとも思われたくなくて。
何度もメニューの2つのドリンクに目を行き来させる。
んーー!どうしよ。
早く決めないと。



