だからそこ、自分の言葉で、これから酒井くんの気持ちに答えられないことを伝えるのが怖いんだ。
信じていた友達の言葉に傷ついて、それをずっと引きずってきたからこそ、
自分の言葉で傷つけてしまう可能性がすごく怖い。
だから、逃げようとした。
でも、それじゃダメなんだ。
「……ううん。今、ちゃんと、答えるよ」
「浅海……」
大きく息を吸って。
自分の気持ちを吐き出す。
「私、酒井くんの気持ちには答えられない。酒井くんが言うように、私は寧衣くんのことが好きだから。すっごく好きなんだ。酒井くんにはたくさん感謝してる。中学の時から、こんな私に親切にしてくれてありがとう。酒井くんのおかげで、中学の思い出、嫌な思い出だけじゃなかったよ。楽しかった。でも、ごめんね」
なにを言われても、この気持ちは揺るがない。
口にすればするほど、自分の寧衣くんへの気持ちの大きさも実感して。
今すぐ、彼に会いたくなる。



