「酒井くん、この間、私とは友達としてって、」
体育祭の片付けが終わった後、話の中で酒井くんは確かにそう言った。
それなのに、いきなりそんなこと言うんだもん。
冗談ならいいのにと思っている自分がいる。
「あれは、久しぶりに会ったばっかで困らせること言うのは良くないって思ったから。けど、あれからメッセージで浅海とやりとりして、やっぱり、まだ俺、好きだなって」
「っ、」
「浅海のそばにいなかったこと、ずっと後悔してたんだ。だから、もう一回チャンスが欲しい。最上のことだけじゃなくて、俺のことも、見てほしい」
酒井くんにはたくさん感謝している。
けど。
「酒井くん、私……」
「返事、今すぐじゃなくていいから」
違う。
違うの。
迷っているとか、考える時間が欲しいんじゃない。
私の中で、ずっと気持ちは決まっているから。



