「早く着いたら子供に絡まれてさ。遊んじゃってた。ごめん」

「そうだったんだ!完全に溶けこんでて気付かなかったよ」

子供ともすぐに仲良くなっちゃうんだな。

彼のコミュニケーション能力は中学の頃から老若男女問わず健在だ。

「まじ?それはそれでどうなんだろうな」

「え?」

首を傾げたら、酒井くんはスッと私から目を逸らして鼻先をかいた。

「俺もお年頃だから色々思うことあるってこと〜」

そう言いながら肩で私の腕を軽く小突く。

「あ、えっと、いや、ごめん、その、」

もしかしてすごく失礼なことを言ってしまったのかもしれないと思って慌てて謝ると、

「ふはっ」

酒井くんが盛大に吹き出した。