午後1時。

酒井くんが待ち合わせに選んだのは、私たちが通っていた中学校のすぐ隣にある公園。

メッセージで酒井くんにここを提案されたときは、ちょっと胸がざわついてしまったけど。

実際に久しぶりに歩いてみて、あの頃と変わらない通学路も、中学校の正門も、目にしても怖くない自分がいた。

ちょっとドキドキするけど。

当時は、登校中、同じ制服を着ている子を見かけたり、校舎が見えてきただけでお腹が痛くなったり、気分が悪くなったりしていたのに。

だから卒業してからも、中学の頃に使っていた道は極力避けて通っていて。

だけど、今は全然平気だ。

私、変われている……?

自分の変化に少し驚きながら歩いていると、子供たちの賑やかな声が聞こえて、公園が見えてきた。