家でも学校でも、俺はどんどん塗り固められた自分になった。
本当はもっと俺のことも見て欲しかった。心配して欲しかった。かまってほしかった。
だけど、俺までも親に迷惑をかけちゃいけないと思ったから。
勉強やスポーツを兄の分まで頑張った。
正直、俺は勉強が得意でも運動神経がめちゃくちゃいいわけでもない。
がむしゃらに頑張って頑張って。
性格だって……。
家族に優しい言葉をかけながら、心の中は何度、黒い感情に襲われたことか。
頑張って頑張って、必死にやって、やっと今の最上寧衣なんだ。
そんな、空気が薄いような息苦しい感覚が、当たり前になりつつあった。
でも、どうしてか、
浅海さんと出会ってからは、うまく繕うことができなくなっていて。
浅海さんが関わると、サラッとできていたはずのことが、我慢できていたことが、できなくなる。
つい、感情的になって自分のことをコントロールできなくなるんだ。



