「なにを返すの?姫茉、酒井くんに何か貸した覚えあるの?」
そう聞いてくる羽芽ちゃんの圧がすごい。
「いや……それは全然記憶にないんだけど、酒井くん、それが何かは教えてくれなくて。『その日のお楽しみ』だって」
「怪しさしかないじゃん!なんなの酒井隆一って男は!ちょっと顔がいいからって調子に乗ってない?!まあ顔知らないんだけどさ!ふんっ!ちょっと偵察しに行く!」
「まぁまぁ、羽芽、落ち着いて」
陽香ちゃんになだめられる羽芽ちゃんがふたたび口を開く。
「落ち着けるわけない!なんなら2人が会うとき私も同伴する!!無理!!はぁ?!」
「羽芽が壊れた」
「姫茉は、酒井くんのことどう思ってるの?」
陽香ちゃんが、優しく聞いてくる。
「私は……」
寧衣くんへの気持ちがなによりもうんと大きい。
でも……。



