「俺のは全然大したことじゃないし。俺たちはいつでも話せるから。久しぶりに中学の同級生と会ったんだしさ」
「え、でもっ、」
今、胸がモヤッとしたのはなんなんだろう。
さっきまですごく調子悪そうだった寧衣くんが、普段の寧衣くんに戻った。
いや、普段よりも倍、穏やかな、そんな風に見えた。
寧衣くんがわかんない。
それに……大したことないって。
私にとっては、寧衣くんと話せるならどんなことも大したことなのに。
「あ、なんかごめん。予定あった?」
こちらの顔を伺いながら遠慮がちに聞く酒井くんに、寧衣くんがさらに笑顔を向ける。
「ううん。全然大丈夫だから。積もる話もあるだろうし、ゆっくり話して」
「っ、じゃあ、お言葉に甘えて。浅海、俺、終わったらここで待ってるから」
「へっ、あ、……うん、」
小さく返事をすれば、一瞬チラッとスマホに視線を移した酒井くんが、ふたたびこちらを見て得意のクシャッと笑顔を見せた。



