小悪魔王子に見つかりました


「そうなんだ!!じゃあ、終わるまで待ってるよ」

「えっ?!いや、そんな!!悪いよ。終わってからも色々片付けとかあるし。すっごく待たせちゃう」

酒井くんのセリフにブンブンと首を横に振る。

「大丈夫!せっかく会えたのにここでバイバイするの嫌だし」

あんまりまっすぐ言うもんだから、思わず恥ずかしくなって目を逸らす。

顔が熱い。

その笑顔に照れてしまわない方が難しいと思う。

それでも、酒井くんには悪いけれど、体育祭が終わったら、わたしには大事な用があるんだ。

『今日、体育祭のあと、浅海さん、時間あるかな。話があって』


朝、寧衣くんから言われたセリフが頭の中で響く。

ちゃんと、断らなくちゃ。

酒井くんの優しさに応えられないのはすごく申し訳ないけれど。

「……酒井くん、気持ちは嬉しいんだけど、私──」

「いいよ、浅海さん」

「えっ……」

横から聞こえたうんと柔らかい声に顔をあげる。