「けど、ほんと今日来てよかったわ!正直、浅海がここ通ってるの知ってたから、ワンチャン会えないかなって思ってたのもあって」

「えっ、そう、なの?嘘だ……」

心の中はもっと疑っている。
だって相手はあの人気者だった酒井くんだ。

いや、今だってその人気は健在だろう。

でも、酒井くんが言ったのが1ミリでも本心なら、素直に嬉しい。

あの頃、もしかして酒井くんにも迷惑かけていたんじゃないかって思っていたから。

「いやなんで嘘つくんだよ。すっげぇ会いた───」

「悪いけど、俺たちお昼ご飯まだだから、そろそろいいかな」

寧衣くんがやっとまともに話してくれたと思ったら、その声色はやっぱりちょっといつよりも暗くて。

とても心配で、その原因を頭をぐるぐるさせながら考える。

あ。

私のこと持ち上げて、今疲れが出てきちゃったんじゃないか。

うわ絶対そうだ……。
体調、悪いのかも。