「てか、なんかめちゃくちゃ可愛くなってるな、浅海。前から可愛いかったけど」

「っ、ぅえっ?!」

いきなり何を言い出すかと思えば!!
酒井くん、何言ってるの!!

思わず変な声が出てしまったよ。

高校生にもなると、男の子はみんな、女の子に対して『可愛い』が口癖になってしまうのだろうか。

「俺、ちょっと飯探してくるわ」

隣の友達がそう言うと「おー」と酒井くんが返事をして。

私と寧衣くんと酒井くんの3人になった。

「あ、もしかしてそこのイケメンくん、浅海の彼氏?」

「えっ?!ち、ち、違うよ!!」

慌てて否定しながらも、一瞬でも恋人同士に見られたのかと思うと、身体中が熱くてしょうがない。

「ふーん。そう?お似合いだなーって思ったけど」

「ま、まさかっ、私と寧衣くんなんて、全然っ、釣り合うわけないからっ」

「え、そんなことないと思うけど。でも、いいこと聞けたかも」

「へ?」

「ううん。なんでもない」

酒井くんが何を言ったのか聞き取れなくて聞き返せば、そう言われて。

彼の視線が寧衣くんへと動いた。