久しぶりに聞いた声。反射的に視線を声の主に合わせた。

まさか、また会える日が来るなんて。

当時よりもうんと身長が伸びていて、さらに大人びた彼。正真正銘、中1の頃同じクラスだった酒井隆一くんだ。

隣には見たことのない男の子がひとり。
高校のお友達だろうか。

な、なんでこんなところにいるの。

彼は、私と目が合うとあの頃と変わらないクシャッとした笑顔を向けてこちらに走り寄って来た。

「酒井くん、どうして……」

「午前中の部活が早めに終わったから。ここ、バスケ部の知り合い何人かいるし、ちょっと見に来たんだ。ひっさしぶりだなー!」

「あっ、そうだったんだ。うん、久しぶり」

まさか酒井くんにまた会えるなんて思っても見なかったから驚きで心臓がバクバクしている。

「浅海、これからなんか出るの?」

「ううん。私が出る競技は全部終わったかな」

「えーーまじかっ!!見たかったなあ!!」


久しぶりに会ったのに、会えなかった期間を感じさせない、あの頃のままの酒井くんに圧倒されながらも嬉しくなる。

見た目はさらにかっこよくなっていて目を合わせるのがちょっと恥ずかしいぐらいだけど。