「じゃあ浅海さん、高校に入って一度も寄り道したことないの?」

翌日のお昼休み。

寧衣くんは本当に私のいる体育館裏にやってきて隣に座れば、容赦なく話しかけてきた。

放課後何しているのかって話の流れで今に至るんだけど。

話ながら、購買で買ったらしいカツサンドをパクッと食べてはもぐもぐと美味しそうな顔をしていて。

こっちまで幸せな気分になるぐらいほんと美味しそうに食べるのが可愛らしくて。


「うん。……あ、でも、お母さんにおつかい頼まれたりしたらスーパーに寄って帰るけど」

「それは俺の知ってる放課後の寄り道とはちょっと違うかな」

「だ、だよね……」

そりゃ、寧衣くんみたいにたくさん友達のいる人は毎日お誘いが絶えないだろうし。

いろんな人たちと集まって楽しんでいるんだろうなあ。