こんな小さなことにいちいち調子乱されてちゃダメだ。

わかっているのに。

頭では理解しているつもりでも心が全くいうことを聞いてくれない。

寧衣くんを前にすると、心臓の音が彼にも聞こえちゃうんじゃないかってくらいバクバクとうるさくて。

ファッション雑誌に載ってる星座占いが気になるようになって、寧衣くんが他の女の子と話しているのを見ると胸が苦しくなって。

こんなに感情が忙しなくなるものなんて。

でも、いつまでもこれじゃダメだ。
浅海姫茉!しっかりしろっ!

羽芽ちゃんの言う通り、私のことは私で決めなくちゃ。

運に任せるなんて、そんなことしない。

今はちゃんと、やるべきこと、体育祭の競技に集中しなくちゃ。

今までは寧衣くんを頼ってばかりで、ひとりじゃ何もできなかった私だけど、

今回の体育祭は、やればできるんだってところを見せるんだ。