「めんどくさいヤツだけど、あいつのこと、よろしくね。姫茉」
「いやいや、私の方が寧衣くんにお世話になってばかりだしっ!」
「で、その子たちと別れた後は?寧衣くんともすぐ解散したの?」
不意打ちの鋭い陽香ちゃんの質問に、体温がふたたび上昇する。
「あ、えっと……」
あの後は、寧衣くんが私に気をつかって人目のつかない場所にと、
思い出せば出すほど、心臓が跳ねてうるさい。
「ヤダ!姫茉ちゃん顔が真っ赤!」
「なんかあったな、もしやチューでもしたか」
「チュー?!まて、告白されたの?!いやまさかもう付き合ってるとか?!え、それとも、そういうのなしで手出されたとか?!──寧衣、コロs……」
「ストップ!ないない、そんな、そういうの、全然ないから!」
手首に寧衣くんの唇が触れたり、素肌に寧衣くんの手が触れたことはあったけど、
あれは私になにかあった時のための断るための練習だったし。
決して、気持ちが通じ合っての触れ合いではなくて。
寧衣くんにとっても、あれはなかったこととした方が都合いいのかもしれない。
そもそも、告白なんてされていないし。



