寧衣くんと過ごした時間で、危うく忘れるところだった。
それぐらい、今の私にとって、過去のトラウマよりも、
寧衣くんや羽芽ちゃんたちの存在が大きくなっている。
「……中学の時に同じグループだった子たちに会って、」
「「「ええっっ?!」」」
3人が足を止めて廊下に響き渡るぐらいの声を出した。
周りの生徒たちが何事かと私たちを見ている。
うっ、なんだか申し訳ない。
「そんな大した話じゃないんだけど、」
「いやいやいや!大した話でしょうよ!姫茉が友達作ること怖がってた原因でしょうが!」
私の話に、羽芽ちゃんが真剣な顔でそう言ってくれるので、目の奥が熱くなる。
「で、どうだったの?」
そう聞いてくれる和子ちゃんが、教科書を持つ手にギュッと力を入れたのがわかって、
彼女たちが、本当に私のことを気にかけてくれてるのが伝わった。
「うん、あのね、」
軽く息を吸って少し間をおいてから、話をした。



