「ずるい。俺も仲間に入れて。何の話?」
「えーまた初めから説明するのー?うちらもう化学室行くし」
羽芽ちゃんが「昴が話しとして〜」と弁当を片付けながら次の移動教室の準備を始めた。
「姫茉、早く行こ」
「え、あ……うん」
どうしよう。
……もう少し、寧衣くんと話したかったって思っている自分がいる。
そろそろ移動教室の準備をしないといけないことはわかっているけれど。
「羽芽、またそーやって浅海さんのこと独り占めしようとして」
寧衣くんがほんの少し唇を尖らせる。
「は?別に独り占めとかしないから〜。うちらは女子同士話すことがたくさんあるの〜ね〜姫茉」
「へっ、えっと……」
返事に戸惑っていたら、羽芽ちゃんが私にだけわかるようにウインクをした。
これは……話し合わせてってことなのかな。
「……う、うんっ、そうなのっ」
慌てて羽芽ちゃんに合わせれば、
「そーいうことだから、お先に」
と彼女の手が腕に巻きついてきて。
そのまま教室を後にした。



