「っ、た、頼まれても二度と会わないわよ!行くよ!」

私の肩を突き飛ばしたひとりが慌てたようにそういうと、

彼女たちはあっという間にその場を後にした。

「はぁ……」

「あっ、」

ホッとした瞬間、全身の力が抜けてその場に倒れ込みそうになったけど、

寧衣くんが手を取ってくれて、私は彼とふたり、ふたたびベンチに腰掛けた。

「……ありがとう、寧衣くん」

「とりあえずこれ飲んで」

まるで私の身体が今どうなっているのか全てを把握しているみたいに、

ペットボトルのお茶を差し出してくれる寧衣くんに、天使のような人だとつくづく感じる。

すぐに受け取ったお茶を開けて、乾いた喉を潤す。

「はぁ……」

生き返った。

水分補給ができて、少しずつ脳が回る。

あの瞬間、寧衣くんが来てくれなかったらどうなってたことか。